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プロムナード 海 こんな話し、あんな話し

 

今年から七月二十日は祝日『海の日』。そこで、七月二十日生まれの各界著名人の方々に『海の日』へのメッセージをいただいた。

 

海と私
フジサンケイグループ代表 小林吉彦
大正九年七月二十日、数少ない海なし県の一つである栃木県に生まれた私が海との縁が少なくても決して不思議ではないのですが、私が小学枚に入った昭和二年に、静岡県伊東町(市制は昭和二十二年)に子供の健康のためにと父が家を建ててくれた時から海との濃いつきあいが始まりました。
当時の伊東は伊東線の開通(昭和十三年)までは熱海からクルマを利用する他はなく、温泉地としてはやくから知られておりましたが、なんとなくのんびりした素朴な感じを漂わせていた街だったように思います。また奥伊豆の物産の集積地だったよえで、大きな木造貨物船が常時二、三隻停泊している静かな港でした。
パンツ一丁で海に飛び出し、顔馴染になった漁師の子たちと灯台まで泳いだり、ボートにのったり、伝馬船の櫓をこいだり、魚を釣ったりの日々を過ごしました。太平洋戦争の始まる頃まで続きました。お陰さまで今日健康でいられるのも海との関わりのおかげと言っても言い過ぎではないと思います。
最も海に親しめる季節に同氏の祝日”海の日”が設けられたことは色々な意味で結構なことと思います。そのうえ偶然とはいえ誕生日と重なることを喜んでおります。

 

海の日に寄せて
組織工学研究所所長 糸川英夫
この度、日本国に旗日がひとつ増えて「海の日」となるそうです。
七月二十日(海の日)は、丁度、私の誕生日にも当たりますし、海が人好きな私としては、「海の日」を祝福するのは大賛成で、心からお祝い申し上げます。
そもそも日本国というのは、北海道から沖縄まで全部が水の中にポッカリ浮かんだ浮洲のようなもので、「ウキ」がプカプカ浮いたり沈んだりするような感じです。そう思ったのはアメリカに初めて行った時の帰りで、ずっと海の上を飛んできて、ボーツと見ると日本全体がうちみたいなものと思ったわけです。日本は海の中にできた国といってもいい位ですから、「海の日」を作るのは当然です。
七月二十日は泳ぐには絶好で、海と遊ぶのにもとても良い時期で、まさに夢の始まりです。充分に楽しんで頂きたいと思います。

 

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海は人生
俳優 穂積隆信
少年の頃、僕は、海が好きか、山が好きかと聞かれると、即座に“海が好きだ。”と応えたのである。何故なら、少年の僕の心の何処かで、山には、人の思いを拒絶するようなものを感じていたからである。
そこへゆくと海は、少年の僕に、果てしなく夢を抱かせてくれるような気がしたのである。その思いは、大人になったいまでも変わ

 

 

 

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